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仮想通貨を売却・交換した場合の税金

仮想通貨を売却した場合の税金がイメージできる画像

 

仮想通貨に関する税務上の取り扱いについて」が国税庁より発表されましたので、ご紹介しますね。

 

仮想通貨に関する税務上の取扱いについて、税目ごとに寄せられた一般的な質問等を取りまとめたものです。

 

※この情報は、平成30年11月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。

 

 

仮想通貨を売却した場合の所得の計算方法

3月9日に200万円で4ビットコインを購入した。

 

5月20日に0.2ビットコインを11万円で売却した。

 

《計算式》

売却価額 − 1ビットコイン当たりの取得価額 × 売却した数量 = 所得金額
110,000円 − (2,000,000円 ÷ 4ビットコイン) × 0.2ビットコイン = 10,000円

 

保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合の所得金額は、その仮想通貨の売却価額と売却した仮想通貨の取得価額との差額になります。

 

仮想通貨同士の交換を行った場合

3月9日に200万円で4ビットコイン(A)を購入した。

 

11月2日に10リップル(B)を購入する際の決済に1ビットコインを支払った。なお、取引時における交換レートは1リップル=60,000円だった。

 

《計算式》

Bの購入価額 − Aの1単位当たりの取得価額 × 支払った数量 = 所得金額
(60,000円×10リップル)−(2,000,000円÷4ビットコイン) × 1ビットコイン = 100,000円

 

保有する仮想通貨Aを他の仮想通貨Bと交換した場合、仮想通貨Aで仮想通貨Bを購入したことになりますので、仮想通貨で商品を購入した場合と同じように、所得金額を計算する必要があります。


仮想通貨の取得価額と仮想通貨で商品を購入した場合

仮想通貨の確定申告がイメージできる画像

 

ビットコインを購入した場合の仮想通貨の取得価額

国内の仮想通貨交換業者から、ビットコインを購入しましたが、その際に手数料を支払いました。

 

この場合の購入した仮想通貨の取得価額はどうなりますか?

 

《例》

例)9月1日に、4ビットコインを2,000,000円で購入した。購入時に手数料540円を支払った。

 

購入した仮想通貨の取得価額は、その支払対価に手数料等の付随費用を加算した額となります。

 

消費税の課税事業者である法人(税抜経理方式を適用)が、上記の取引を行う場合の購入した仮想通貨の取得価額

上記の例の取引の場合の仮想通貨の取得価額は、2,000,500円になります。

 

消費税法では、仮想通貨などの支払手段等の譲渡は非課税とされていますが、仮想通貨交換業者に対して取引の仲介料として支払う手数料は、仲介にかかるサービスの提供の対価に該当し、消費税の課税対象になります。

 

この取引を行う者が消費税法上の課税事業者に該当し、かつ、税抜経理方式を適用している場合には、手数料に含まれる消費税等の額(40円=540円×8/108)と課税取引の対価の額(500円=540円−40円)を区分し、課税取引の対価の額を仮想通貨の支払対価の額に加算した金額(2,000,500円=2,000,000+500円)が購入した仮想通貨の取得価額となります。

 

仮想通貨で商品を購入した場合

次の仮想通貨取引を行った場合の所得の計算方法はどうなりますか?

 

3月9日に200万円で4ビットコインを購入した。

 

9月28日に162,000円(消費税等込)の商品を購入する際の決済に0.3ビットコインを支払った。なお、取引時における交換レートは1ビットコイン=540,000円であった。

 

《計算式》

商品価額 − 1ビットコイン当たりの取得価額 × 支払った数量 = 所得金額
162,000円 − (2,000,000円 ÷ 4ビットコイン) × 0.3ビットコイン = 120,000円

 

保有する仮想通貨で商品を購入した場合、保有する仮想通貨を譲渡したことになりますので、この譲渡にかかる所得金額は、その仮想通貨の譲渡価額と譲渡した仮想通貨の取得価額との差額となります。

 

仮想通貨の取得価額の計算方法の変更

昨年の申告では、売却した仮想通貨の取得価額を移動平均法で計算していましたが、計算が困難なため、本年の申告から総平均法に変更することはできますか?

 

《解答》

今後の申告において「総平均法」を継続することを前提に、売却した仮想通貨の取得価額の計算方法を変更することができます。

 

売却した仮想通貨の取得価額は、「移動平均法」で計算するのが相当ですが、継続して適用することを要件に「総平均法」で計算しても差し支えないこととしています。

 

したがって、売却した仮想通貨の取得価額を「移動平均法」で計算している方は、「総平均法」に変更することができます。

 

なお、ご質問のように、「移動平均法」から「総平均法」に変更する場合は、本年の売却した仮想通貨の取得価額の計算における「年始の仮想通貨の数量・取得価額」は、「移動平均法で計算した前年末の仮想通貨の数量・取得価額」を使用することになります。


仮想通貨の分裂による取得とマイニングによる取得

仮想通貨のマイニングがイメージできる画像

 

仮想通貨の分裂(分岐)により仮想通貨を取得した場合

仮想通貨の分裂(分岐)に伴い、新たに誕生した仮想通貨を取得しましたが、この取得により、所得税又は法人税の課税対象となる所得は生じますか?

 

《解答》

仮想通貨の分裂(分岐)により新たに誕生した仮想通貨を取得した場合、課税対象となる所得は生じません。

 

所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点における時価を基にして所得金額を計算します。

 

しかしながら、ご質問の仮想通貨の分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨については、分裂(分岐)時点において取引相場が存しておらず、同時点においては価値を有していなかったと考えられます。

 

したがって、その取得時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時点において所得が生ずることとなります。

 

なお、その新たな仮想通貨の取得価額は0円となります。

 

法人税についても同様に、分裂(分岐)に伴い取得した新たな仮想通貨の取得価額は0円となり、分裂(分岐)に伴い新たな仮想通貨を取得したことにより所得の金額の計算上益金の額に算入すべき収益の額はないものと考えられます。

 

仮想通貨をマイニングにより取得した場合

仮想通貨をマイニングにより取得した場合、その所得は所得税又は法人税の課税対象となりますか?

 

《解答》

仮想通貨をマイニングにより取得した場合、その所得は所得税又は法人税の課税対象となります。

 

所得税については、いわゆる「マイニング」(採掘)等により仮想通貨を取得した場合、その所得は、事業所得又は雑所得として課税対象となります。

 

この場合、マイニング等により取得した仮想通貨の取得価額に相当する金額(時価)については所得の金額の計算上総収入金額に算入され、マイニング等に要した費用については所得の金額の計算上必要経費に算入されることになります。

 

法人税については、マイニング等により仮想通貨を取得した場合、その取得価額に相当する金額の収益(時価)については所得の金額の計算上益金の額に算入され、マイニング等に要した費用については所得の金額の計算上損金の額に算入されることになります。

 

なお、マイニング等により取得した仮想通貨の取得価額は、仮想通貨をマイニング等により取得した時点での時価となります。


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