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生命保険料控除の3つのタイプ

「生命保険料控除と確定申告ついて説明する神戸の税理士」がイメージできる画像

 

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生命保険料控除は3種類

 

所得税の生命保険料控除は3種類

「生命保険料控除」という言葉を聞いたことのある人は多いと思います。

 

生命保険料控除とは、生命保険に加入している場合、一定の金額を所得から控除できる、というものです。特に家庭がある人は、何らかの生命保険に加入していることが多いでしょう。加入している方は、この控除を受けているはずです。

 

この生命保険料控除ですが、実は加入している保険によって控除額が大きく変わってきます。

 

生命保険料控除には種類があり、これらをうまく組み合わせれば、節税となります。生命保険料控除の種類は、生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の3つです。

 

3つの保険の違い

生命保険料控除には、「生命保険料控除」「個人年金保険料控除」「介護医療保険料控除」の3つの控除があるとご紹介致しました。

 

これらの控除の対象になっている保険の特徴は次のとおりです。

 

生命保険

死亡したときや病気を患ったときに保険金がもらえるものです。もっともオーソドックスな保険です。保険の中に貯蓄部分を含んでいる生命保険もあります。

 

個人年金

公的年金とは別に、民間の保険会社に個人で加入する年金のことです。

 

毎月、一定額を積み立てておけば、年を重ねたときに一定額をもらえるというものです。毎月いくらずつ、何年間年金をもらえる、というような保険商品です。終身年金タイプもあります。これは、亡くなるまで一定の年金がもらえる保険です。

 

介護医療保険

介護医療保険は、公的な介護保険とは別に、民間の保険会社が売り出している保険商品です。これに加入していれば、介護が必要になったときに一定のお金を受け取れるというものです。


生命保険料控除がいくらで所得税が節税になる?

 

生命保険料控除はいくら?

上記の3つの保険料控除をすべて使えば、けっこうな節税になります。しかしながら、これらを知っていて保険に加入している人はほとんどいません。知らないのです。

 

生命保険料控除は、2012年(平成24年)に大きく制度が変わりました。改正で一番大きく変更になったのは、それまでは「生命保険」「個人年金保険」の2つでしか控除できなかったのに対して、「生命保険」「個人年金保険」「介護医療保険」の3つの控除が受けられるようになったことです。

 

それまでは、生命保険料控除(最大5万円)、個人年金保険料控除(最大5万円)の合計10万円までしか控除が受けられませんでした。

 

しかし、2012年の改正で、2012年1月1日以降に締結した保険契約にかかる保険料は、生命保険料控除(最大4万円)、個人年金保険料控除(最大4万円)、介護医療保険料控除(最大4万円)で、合計12万円までの控除が受けられるようになりました。

 

したがって、生命保険、個人年金保険、介護医療保険にそれぞれ一定額以上(年間8万円以上)の掛金を支払っている人は、控除額はそれぞれ4万円ずつで合計12万円になります。

 

一方、普通の生命保険にしか加入していない人は、その保険料がいくらかかっていたとしても、4万円しか生命保険料控除を受けることができません。

 

4万円と12万円の控除の差は大きいですね。

 

生命保険料控除で所得税はどれくらい節税?

では、実際にどのくらいの保険料の支払いで生命保険料控除の額が計算されて、所得税は安くなるのか見てみましょう。

 

これから生命保険に加入されることを前提(平成24年1月1日以後に契約した新契約)として、実際にいくら税金が戻ってくるのか計算して見ましょう。

 

例えば、年間保険料が8万円超、所得税の税率が10%の方の場合を例に計算してみます。

 

所得税の保険料控除額は、1年間に支払った保険料の金額によって変わってきます。新契約の場合年間保険料が8万円までの場合は、その金額に応じた控除額が減額されますが、1年間に支払った生命保険料が8万円を超えた場合、控除額は一律で4万円となります。

 

ここで注意していただきたいのは、生命保険料の控除額が4万円だからといって、所得税が4万円戻ってくるということではないということです。

 

実際に安くなる所得税額は4万円の税率10%で4000円となります。今回の計算例では、10%の所得税率を使用しましたが、所得税率はみなさんの所得によって変わりますので、ご自身の源泉徴収票などで確認してください。

 

所得に応じた生命保険料控除額と節税額(一般生命保険のみ)

所得金額

所得税率

生命保険料控除額

所得税の節税額

195万円以下

5%

40,000円

2,000円

195万円超 330万円以下

10%

40,000円

4,000円

330万円超 695万円以下

20%

40,000円

8,000円

695万円超 900万円以下

23%

40,000円

9,200円

900万円超 1,800万円以下

33%

40,000円

13,200円

1,800万円超 4,000万円以下

40%

40,000円

16,000円

上記の速算表は、年間の保険料の支払い額(一般の生命保険料の額)が8万円を超えている場合で所得金額に応じて所得税の節税額を計算したものです。

 

生命保険料の支払額が8万円を超えていますので、生命保険料控除額は一律40,000円で変わりませんが、所得に応じて節税となる金額が変わってきます。

 

※さらに生命保険料控除の対象となる保険契約には、生命保険契約(一般)、個人年金保険契約(年金)、介護医療保険契約(介護)の3種類がありますから、
一般の生命保険料が8万円を超えていて、それ以外に個人年金保険や介護医療保険などがあれば、生命保険料控除の額も変わってきますので、所得税の節税額も変わってきます。

 

所得に応じた生命保険料控除額と節税額(一般生命保険と個人年金)

所得金額

所得税率

生命保険料控除額

所得税の節税額

195万円以下

5%

80,000円

4,000円

195万円超 330万円以下

10%

80,000円

8,000円

330万円超 695万円以下

20%

80,000円

16,000円

695万円超 900万円以下

23%

80,000円

18,400円

900万円超 1,800万円以下

33%

80,000円

26,400円

1,800万円超 4,000万円以下

40%

80,000円

32,000円

 

上記の速算表は、年間の保険料の支払い額(一般の生命保険料と個人年金保険料の合計額)がそれぞれ8万円を超えている場合で所得金額に応じて所得税の節税額を計算したものです。

 

生命保険料の支払額がそれぞれ8万円で合計16万円を超えていますので、生命保険料控除額は一律40,000円ずつで合計80,000で変わりませんが、所得に応じて節税となる金額が変わってきます。

 

なお、生命保険料控除の額は、合計で12万円が限度額となっています。

節税効果のある生命保険の掛け方

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生命保険料控除額が最高になる生命保険の掛け方

 

生命保険料控除額を最大限にする

生命保険料控除は、掛金が年間8万円のとき、控除額が最高の4万円になります。

 

掛金をそれ以上増やしても、控除額は4万円のままです。したがって、生命保険の掛金は年間8万円にするのが、もっとも節税効果が高いといえます。

 

保険料が年間8万円ぴったりの生命保険などはなかなかないでしょうが、だいたい8万円になるように加入すれば、最大の節税になるということです。

 

また、生命保険、個人年金保険、介護医療保険それぞれで掛金が年間8万円程度になるようにしておけば、控除額は最高限度額の12万円になります。

 

生命保険ばかりを手厚く掛けて、他の保険には入っていないという人がいますが、節税面も含めて考えると、決して上手な保険の掛け方とはいえません。

 

改正前と改正後で生命保険料控除額が違う

生命保険料控除には、気をつけなければならない点があります。

 

2012年に改正された新しい生命保険料控除の制度は、改正後に契約した保険のみ有効です。それ以前に契約した保険は、古い制度がそのまま適用されます。

 

2011年(平成23年)までに契約した生命保険については、次の方法で控除額が算出されます。改正前と改正後の保険料控除の計算方法は次のとおりです。

2011年(平成23年)以前の生命保険料控除額

年間支払保険料

生命保険料控除額

25,000円以下の場合 全額控除
25,000円超50,000円以下の場合 支払保険料×1/2+12,500円
50,000円超100,000円以下の場合 支払保険料×1/4+25,000円
100,000円超の場合 一律50,000円

※個人年金も同じ

 

2012年(平成24年)以降の生命保険料控除額

年間支払保険料

生命保険料控除額

20,000円以下の場合 全額控除
20,000円超40,000円以下の場合 支払保険料×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下の場合 支払保険料×1/4+20,000円
80,000円超の場合 一律40,000円

※個人年金、介護医療保険も同じ


生命保険は掛け捨てがトクではない!

 

生命保険は掛け捨てがトクではない!

 

生命保険は掛け捨てが全てとは限らない

生命保険は掛け捨てが有利!なんて聞いたことはないですか?

 

貯蓄部分がある生命保険は、その利率が非常に低いので、まったく意味をなさない。それよりは、掛け捨ての生命保険に入って保険料を安く抑えたほうがいい、という考え方ですね。

 

しかし、これは必ずしも正解ではありません。なぜなら、生命保険料控除が全く考慮されていないからです。

 

生命保険料控除は最大で12万円です。また、生命保険料控除は、所得税だけでなく住民税にもあります。住民税の場合は、所得税と若干計算式が違います。住民税分の所得控除は最大で7万円です。

 

所得税分と住民税分の控除額は合計で19万円です。19万円の控除は大きいです。

 

この生命保険料控除で安くなる税金を考えれば、掛け捨ての生命保険は決して有利ではない!ということになります。

 

生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除の3つを上手く組み合わせれば、トータルの保険料が年間24万円で19万円の所得控除を受けて、3万円程度節税することが可能です。

 

 

節税額を利子で考える!

 

所得税の節税額を利息と比較してみる

この3万円を利子で考えれば、3万÷24万で年利12.5%の利子がついているのと同じことになります。節税面も考えれば、相当に有利です。

 

いまどき、12.5%もの利子がつく金融商品なんてないでしょう。よって、生命保険料控除をフル活用できる生命保険は、貯蓄商品として非常に優れているといえます。

 

掛け捨ての生命保険でも生命保険料控除は受けれますが、節税額は少ないです。

 

トータルで考えれば、掛け捨ての保険で保険料をケチるよりも、生命保険料控除が最大になるように保険に加入すれば、節税になってはるかにおトクといえます。

 

抑えておきたい所得税の生命保険料控除のポイント!

生命保険料控除には3つのタイプがある!ということがわかりました。

 

また、生命保険料控除は平成24年以降契約した保険とそれ以前に契約した保険とでは計算方法が異なります。

 

そして、住民税にも保険料控除がありますから、節税額を考えれば、保険料の安い掛け捨てが必ずしもおトクとは言えない!ということもポイントです。

 

 

 

※節税対策は税理士選びが成否を分ける!


個人の所得税でも、会社の法人税でも、「節税対策は税理士選びが成否を分ける!」と言っても過言ではないでしょう。

決算書・申告書を作成する税理士次第で税金は大きく変わってしまいます。

会社の税務申告には、ほとんどの場合、税理士事務所に依頼していることが多いと思います。
個人の所得税確定申告は、ご自身である程度できますから、税理士に報酬を払って依頼するケースは、事業の規模によるかもしれません。

個人の所得税の節税も税理士事務所によって大きく変わります。

税理士事務所が税務署寄りの考え方なのか、そうでないのか、同業種・同規模の事業者でも依頼する税理士事務所によって、所得金額は大きく変動します。

来期は銀行から借り入れの予定がある、住宅を購入するために住宅ローンを組む、などの理由から、所得を多めに確定申告をする必要があるかもしれません。

逆に融資を受ける予定がない場合は、できるだけ節税するように心掛けるべきです。

社会保険料や消費税率の引き上げにより、社保・税金の負担は増えるばかりです。

また、税務調査対策も、税理士の対応次第で結果は大きく変わります。

所得税の確定申告や税務調査の対策は、柔軟な対応をしてくれる税理士事務所に依頼するようにしましょう。