確定申告の税理士に何をどこまで依頼するのか?
確定申告のどこまでを税理士に頼むか?
税理士に確定申告のどこまでを依頼するか
税理士に確定申告を依頼する場合に、どこからどこまでを頼むかという問題です。
普段税理士に接することがない方は、何を税理士にお願いすればいいのか?自分でどこまで準備しておいたらいいのか?わからないですよね。
税理士に確定申告を依頼する場合、大きく分けて2つのパターンがあります。
決算申告だけを税理士に頼む場合
日々の記帳入力と決算申告まで全てを税理士に頼む場合
確定申告の決算申告だけを依頼する場合
決算申告だけを頼む場合
決算と申告のときだけ税理士に依頼
まず、決算と申告だけを税理士に依頼するパターンです。
日々の領収書や請求書の整理や売上、仕入、経費の集計までを自分でやっておいて、決算整理と申告書の作成と提出までを税理士に依頼する、という流れです。
パソコン会計をされている方は、売上、仕入、経費を月毎・日付毎に入力しておきます。そして、1月〜12月までの入力が全て終了し、翌年になってから税理士に決算と申告を依頼します。
決算整理で行うことは、代表的なことでいうと「減価償却(げんかしょうきゃく)」があります。減価償却は、資産ごとに耐用年数や償却率が異なりますから、税理士に依頼したほうが無難でしょう。
また、期中に30万円以上のものを購入した場合には、一括経費処理はできず、資産に計上した後、減価償却の対象となりますので、購入した資産の明細を税理士に渡すようにして下さい。
代表的なものは、車両、建物等の修繕で資産価値のあるもの、コピー機、応接セットなどが該当します。
決算と申告だけを税理士に依頼する場合のメリットとしては、まず税理士に対する報酬が安くて済みます。
通常、税理士事務所に日々の記帳や書類の整理等を依頼すれば、月額1万円〜3万円程かかりますから、そのコストを低く抑えることができます。
逆に、決算申告時だけしか税理士に依頼しない場合のデメリットについて述べます。
まず、日々の入力した内容が正しいかどうか一般の方では判断を誤ってしまう可能性があります。経費として認められないものが経費として計上されていたり、資産に計上しないといけないものが一括で経費として計上されてしまっている可能性もあるでしょう。
また、現行の会計は、「発生主義(請求書ベース)」です。発生主義とは、入金があったときに売上や仕入を計上するのではなく、取引があったとき(請求書を発行したとき)に計上するやり方です。
ですので、12月の売上の売掛金が翌年の1月に入金になっていたとしても、12月の売上として計上しておかなければなりません。これらの計上漏れがあると税務調査で指摘されて修正申告の対象となりますので注意が必要です。
さらに、青色申告特別控除の65万円控除を受けるためには、貸借対照表を作成しておかなければなりません。簿記の知識がなければこの貸借対照表を作成するのは厳しいです。
日々の記帳入力と決算申告まで全てを頼む場合
日々の記帳入力と決算申告まで全てを頼む場合
領収書の整理、記帳入力、決算申告すべてを税理士に依頼
次に、決算と申告だけでなく、日々の書類の整理から記帳入力まで全てを税理士に依頼するパターンです。
いわゆる一括丸投げです。ただし、一括丸投げといっても、売上や仕入は月毎にノートやエクセルにまとめておく必要はあります。
先ほどの、決算と申告だけを税理士に依頼するパターンとは逆に、全てを税理士に任せるやり方です。
売上、仕入、経費の書類さえ整理しておいて、何ヶ月分かをまとめて税理士に渡しておけば、全ての記帳入力をやってくれますので、経理事務負担はかなり軽減されます。
もちろん、青色申告特別控除65万円も受けることができますし、本業に専念できます。
また、個人事業でも税務調査はありますから、税理士に依頼しておけば、日々の経費から売上、仕入れ、消費税の申告についてまで、税理士が対応してくれます。
《デメリット》
デメリットは、やはり、コストがかかるという点でしょう。
税理士事務所に日々の記帳入力を全て任せるわけですから、月々の顧問料が発生します。これは、事務所によって料金体系は様々ですが、おおよそ平均して2万〜3万円程度の費用がかかる思っておいて下さい。
抑えておきたい確定申告を税理士に依頼した場合のポイント!
税理士に確定申告を依頼する場合、できるだけご自身でやっておいて、税理士に支払う費用を安くしたいと思われるのは当然のことです。
事業を立ち上げたばかりの方や、事業の規模が小さい時期は、なるべく自分で確定申告をされたほうがいいかもしれません。
あるいは、税理士に依頼するにしても、決算申告だけを依頼するパターンがオススメです。
事業がある程度、軌道に乗ってきたら、手間と費用をよく考えて、税理士に一年間分全てを任せる方法も考えたほうがいいでしょう。
取引金額を大きくなってくれば、税金も高くなりますから、税理士に節税対策などを相談しておく必要も出てくるからです。
何人かの税理士に実際に会ってみて、どこからどこまでをやってくれるのか?自分でどこまでをしておく必要があるのか、双方の役割分担を明確にしてから税理士に依頼するようにしましょう。