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報酬にも源泉徴収ってかかるの?

ホステスの報酬と源泉徴収と確定申告が必要がイメージできる画像

 

源泉徴収(げんせんちょうしゅう)、、名前だけは聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

 

会社でサラリーマンをされている方は、給与から「所得税」という項目で天引きされています。これを源泉徴収といいます。

 

給与だけでなく、ホステスが経営者からもらう報酬も源泉徴収の対象となります。

 

以下、国税庁の「源泉徴収のあらまし」から抜粋しておりますので、参考になさってくださいね。

 

居住者に支払う報酬・料金等に対する源泉徴収

居住者に対し、国内において報酬・料金等の支払をする者は、その支払の都度それぞれ次の表に掲げる額の所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません(所法204@、205)。

 

ただし、これらの報酬・料金等であっても、給与所得又は退職所得に該当するものについては、それぞれ給与所得又は退職所得として源泉徴収を行います(所法204A一)。

 

また、その報酬・料金等の支払者が個人であって、その個人が給与の支払者でないとき又は給与の支払者であっても常時2人以下の家事使用人のみに対する給与の支払者であるときは、ホステス、バンケットホステス等に支払う報酬・料金を除き、源泉徴収をする必要はありません(所法204A二)。


ホステスやコンパニオン等に対する報酬と源泉徴収税額

ホステスやコンパニオン等に対する報酬と源泉徴収税額がイメージできる画像

 

区  分

左の報酬・料金に該当す
るもの

源泉徴収税額

左の報酬・料金に類似す
るが該当しないもの

ホステス、バンケットホステス・コンパニオン等の業務に関する
報酬・料金

(1)キャバレー、ナイトクラブ、バーその他これらに類する施設でフロアにおいて客にダンスをさせ、又は客に接待をして遊興や飲食をさせるものにおいて、客に侍してその接待をすることを業務とするホステスその他の人のその業務に関する報酬・料金

 

(2)ホテル、旅館、飲食店その他飲食をする場所で行われる飲食を伴うパーティー等の会合において、専ら接待等の役務の提供を行うことを業務とするいわゆるバンケットホステス・コンパニオン等のその業務に関する報酬・料金

(左の報酬・料金の額?控除金額※)×10.21%

 

※控除金額……同一人に対し1回に支払われる金額について、5,000円 にその支払金額の計算期間の日数を乗じて計算した金額(別に給与の支払をする場合には、その計算した金額からその計算期間の給与の額を控除した残額)

芸妓の業務に関する報酬・料金

 

配膳人及びバーテンダーの報酬・料金

 

(注) バー等の経営者(キャバレー、ナイトクラブ、バーその他これらに類する施設の経営者及びバンケットホステス・コンパニオン等をホテル、旅館等に派遣して接待等の業務を行わせることを内容とする事業を営む者)以外の者から支払われるこれらの報酬・料金は、源泉徴収の対象とはなりません。

 

しかし、客からバー等の経営者を通じてホステス、バンケットホステス・コンパニオン等に支払われるものは、バー等の経営者が支払うものとして源泉徴収を行うことになります(所法204B、措法41の20A)。


ホステスに支払う報酬と源泉徴収税額の計算方法

ホステスやコンパニオンの報酬と源泉徴収税額がイメージできる画像

 

ホステス報酬にかかる源泉所得税

 

ホステスの報酬に対する源泉所得税は、同一人に対し1回に支払われる金額について、5千円にその報酬・料金の「計算期間の日数」を乗じて計算した金額を差し引いた残額に10.21%の税率を乗じて算出します。

 

この「計算期間の日数」とは、「営業日数」又は「出勤日数」ではなく、ホステス報酬の支払金額の計算の基礎となった期間の初日から末日までの全日数です。

 

ホステスに月払いで報酬を支払う場合の源泉所得税

例1)(月払い)ホステス報酬の支払金額の計算の基礎期間3月1日から3月31日(31日間)営業日数25日間、3月分の報酬75万円を支払う場合

 

(75万円―15万5千円)×10.21%=6万749円(1円未満端数切捨て)
※15万5千円=5千円×31日

 

源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は6万749円になります。

 

ホステスに日払いで報酬を支払う場合の源泉所得税

例2)(日払い)その日のホステス報酬10,000円を支払う場合

 

(10,000円ー5,000円)×10.21%=510円

 

源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は510円になります。

 

ホステスの人件費に対する源泉徴収税額の計算は、報酬扱いとした場合には、上記のとおりですが、給与扱いの場合には源泉徴収税額表に基づいて計算することになります。


ホステスも所得税の確定申告が必要?

ホステスも確定申告が必要がイメージできる画像

 

ホステス個人も確定申告と店の消費税の関係

ホステスに支払う金額の経理処理の方法と、ホステスに金額を支払う店側の消費税の納税額は、関連性があります。

 

つまり、ホステスに支払う金額が給与なのか報酬(外注費)なのかによって、店側の消費税の納税額が大きく異なるという意味です。

 

店側は、当然消費税の納税を少なくしたいわけですから、報酬(外注費)として処理を行います。

 

ということは、ホステス側はそれを売上(事業収入)として個人の確定申告をする必要があります。ところが、このホステスの確定申告がなされていない場合、支払った側の店の税務調査で指摘されます。

 

税務調査では、「ホステスのみなさんの個人の確定申告がなされていません。無申告のようですね。店側の処理を報酬から給与に変更して、消費税の修正申告と源泉徴収税額を追加で納税してください」

 

と、指摘されるわけです。

 

具体的な例で見ていきましょう。

 

前提条件
売上 2,400万円
仕入 120万円
人件費 1,000万円
消費税率 10%

 

ホステスへの支払いが給与扱いの場合

・売上にかかる消費税・・・2,400万円×10%=240万円
・仕入にかかる消費税・・・120万円×10%=12万円
・給与にかかる消費税・・・非課税
消費税の納付税額=240万円−12万円=228万円

 

ホステスへの支払いが報酬扱いの場合

・売上にかかる消費税・・・2,400万円×10%=240万円
・仕入にかかる消費税・・・120万円×10%=12万円
・給与にかかる消費税・・・1,000万円×10%=100万円
消費税の納付税額=240万円−12万円−100万円128万円

 

消費税の計算と税務調査

収入に係る消費税から支払に係る消費税を差し引いて、納付税額を計算します。売上にかかる消費税が納める消費税ではなく、支払にかかった消費税を差し引くことができます。

 

上記の例からもわかるように、報酬(外注)として取り扱ったほうが、店側は消費税の納付額が少なくなり、給与扱いをするよりもトクであることがわかります。

 

しかし、税務調査でタイムカードがあったり、時間給で計算されているなどの書類があれば当然給与扱いにされてしまいます。

 

ホステスの人件費が、給与であるのか報酬であるのかは、税務調査で必ずといっていいほど指摘される項目であり、争点となります。

 

大切なことは、ホステス個人の確定申告がされていることと、ホステスへの支払いの源泉徴収税額を納付していることです。

 

税務調査で指摘されて、消費税の修正申告をしなくていいように、しっかりと事前に対策を講じておきましょう。


※節税対策は税理士選びが成否を分ける!


個人の所得税でも、会社の法人税でも、「節税対策は税理士選びが成否を分ける!」と言っても過言ではないでしょう。

決算書・申告書を作成する税理士次第で税金は大きく変わってしまいます。

会社の税務申告には、ほとんどの場合、税理士事務所に依頼していることが多いと思います。
個人の所得税確定申告は、ご自身である程度できますから、税理士に報酬を払って依頼するケースは、事業の規模によるかもしれません。

個人の所得税の節税も税理士事務所によって大きく変わります。

税理士事務所が税務署寄りの考え方なのか、そうでないのか、同業種・同規模の事業者でも依頼する税理士事務所によって、所得金額は大きく変動します。

来期は銀行から借り入れの予定がある、住宅を購入するために住宅ローンを組む、などの理由から、所得を多めに確定申告をする必要があるかもしれません。

逆に融資を受ける予定がない場合は、できるだけ節税するように心掛けるべきです。

社会保険料や消費税率の引き上げにより、社保・税金の負担は増えるばかりです。

また、税務調査対策も、税理士の対応次第で結果は大きく変わります。

所得税の確定申告や税務調査の対策は、柔軟な対応をしてくれる税理士事務所に依頼するようにしましょう。