確定申告に関して悩みがあるなら!

「確定申告、何から始めたらいいの?」そんな方は、税理士に相談してみて下さいね!

相談は無料ですから、気軽に相談ができます。

上場株式の配当や売却益の課税方式

上場株式の配当や売却益の住民税の課税方式がイメージできる画像

 

上場株式の配当や売却益にかかる所得税と住民税

所得税と住民税で違う課税方式を選ぶと節税できるケースがあります。

 

上場株式の配当への課税については、所得税、住民税ともに3つ方式があります。

 

まずは、総合課税です。確定申告をして給与など他の所得と合計する方法です。

 

2つ目は申告分離課税です。株式投資は「源泉徴収ありの特定口座」で行う人が多いですが、他の所得と区別して申告する方式です。

 

そして、3つ目が申告不要制度です。配当が支払われると所得税15%、住民税5%の合計20%が源泉徴収されて終わらせるやり方です。

 

この3つの方法から自分が有利な課税方式を所得税と住民税で別々に選ぶことができます。

 

では、どのように選ぶと有利になるのでしょうか?それは、所得水準によって分かれます。

 

普通は所得税も住民税も申告しないパターンが多数派です。

 

確定申告は面倒ですし、住民税は所得税と別の課税方式を選ぶことができるなんてほとんどの人が知らないでしょう。

 

具体的にどうすればいいのでしょうか。

 

所得税は総合課税を選んで税務署に確定申告をして、さらに自治体で住民税の扱いを申告不要にする手続きをします。

 

課税所得が900万円以下の人は、住民税と所得税を合わせた負担が減ることになります。

 

総合課税には「配当控除」という負担軽減の仕組みがあり、総合課税の税率から所得水準に応じてその負担軽減が適用されます。

 

課税所得が900万円以下の人は実質税率が20%未満なので、両方の税金を申告しない場合より、所得税は申告したほうが有利になります。

 

課税所得が900万円を超える人はどうでしょうか?

 

所得税について総合課税を選ぶと、逆に実質税率が上がってしまいます。所得税は所得が高くなるほど税率も上がる累進課税なので、一定以上の所得の人は総合課税を選ぶと不利になります。

 

高額所得の人は、所得税も住民税も申告不要のままでいるほうが得になるということです。

 

例えば、70歳の方で年金収入以外に株式を持っていて、年30万円ほどの配当を得ているとします。以前は配当控除を受けるために所得税は総合課税を選んで、住民税は何の手続きもしていませんでした。

 

手続きをしないと、両方とも総合課税になります。その後、より有利な方法があると聞いて、市役所へ配当について申告不要の扱いをする届け出をしました。

 

その結果、住民税額が7,000円減額されました。

 

また、さらには住民税に連動する後期高齢者医療の保険料も年3万円近くも減りました。

 

75歳以上の人が加入する後期高齢者医療の保険料は、住民税の課税所得に連動する部分がありますのでその点も注意しておきましょう。

 

住民税を申告不要にした方が得するケースは他にもあります。

 

複数の証券会社の源泉徴収ありの特定口座で株式を運用していて、それらを損益通算するケースです。

 

A証券で利益、B証券で損失が出ている場合、確定申告をして両方の口座の損益通算をしたほうが通常は節税になります。

 

源泉徴収されていた税金の一部が還付されるためです。

 

ただし、年金生活者と自営業者の方は要注意です。

 

国民健康保険の加入者は、申告することで所得が増えて、社会保険料負担が重くなる恐れがあるからです。

 

保険料が増えれば、税金が還付されたとしても、家計全体では負担増になりかねないです。その場合、住民税を申告不要にしておけば、保険料に響かないで済むわけです。

 

例えば、東京都杉並区の2019年度の国民保険料の所得割の料率は合計11.27%です。

 

所得税、住民税ともに申告分離課税を選択して損益通算をすると、20万円が還付されますが、住民税の課税所得金額が100万円増えてしまうので、国民健康保険料は11万円増えてしまいます。

 

しかし、所得税は申告分離課税を選択して、住民税は申告不要を選択して損益を通算をすれば、株式の売却益の分は加算されませんので、国民健康保険料は増えません。

 

還付額は所得税分の15万円ですが、丸々プラスになります。

 

上場株式の配当所得と合計税率

課税所得の目安 所得税・住民税とも申告不要 所得税・住民税とも総合課税

所得税は、総合課税

 

住民税は、申告不要

〜330万円以下 20% 7.2% 5%
〜695万円以下 20% 17.2% 15%
〜900万円以下 20% 20.2% 18%
〜1,000万円以下 20% 30.2% 28%
〜1,800万円以下 20% 30.6% 33%

黄色線の箇所が得になる税率を示す。
税率は復興特別所得税を考慮していません。
1800万円超の所得階層は省略。

 

所得税と別方式で申告が必要

所得税と住民税の課税方式は2017年度から使い分けられるようになりました。

 

それまでは自治体側の税務対応が追いつかず、所得税で選んだ課税方式が、自動的に住民税に適用されていました。

 

2017年度からは自分に有利な住民税の課税方式を選択できるようになりました。

 

この場合、所得税と異なる方式を選ぶ場合には、地方自治体への申告が必要です。

 

申告しない場合には、所得税と同じ方式を選択したとみなされてしまいます。

 

住民税の申告不要制度を利用する場合にも、自治体への届け出が必要です。

 

書式は自治体によって異なりますので、詳細や不明な点は市区町村の税務窓口に問い合わせるようにしましょう。

 

上場株式の利益に対する課税方式

総合課税・・・他の所得と合算して申告
申告分離・・・他の所得と分けて申告
申告不要・・・源泉徴収されたままで終了

 

課税対象項目 所得税 住民税 ポイント
配当金 総合課税、申告分離、申告不要の3つから選択 同左 所得税と住民税で異なる課税方式を選択可能
売却益 申告分離、申告不要のいずれかを選択 同左

同上


※節税対策は税理士選びが成否を分ける!


個人の所得税でも、会社の法人税でも、「節税対策は税理士選びが成否を分ける!」と言っても過言ではないでしょう。

決算書・申告書を作成する税理士次第で税金は大きく変わってしまいます。

会社の税務申告には、ほとんどの場合、税理士事務所に依頼していることが多いと思います。
個人の所得税確定申告は、ご自身である程度できますから、税理士に報酬を払って依頼するケースは、事業の規模によるかもしれません。

個人の所得税の節税も税理士事務所によって大きく変わります。

税理士事務所が税務署寄りの考え方なのか、そうでないのか、同業種・同規模の事業者でも依頼する税理士事務所によって、所得金額は大きく変動します。

来期は銀行から借り入れの予定がある、住宅を購入するために住宅ローンを組む、などの理由から、所得を多めに確定申告をする必要があるかもしれません。

逆に融資を受ける予定がない場合は、できるだけ節税するように心掛けるべきです。

社会保険料や消費税率の引き上げにより、社保・税金の負担は増えるばかりです。

また、税務調査対策も、税理士の対応次第で結果は大きく変わります。

所得税の確定申告や税務調査の対策は、柔軟な対応をしてくれる税理士事務所に依頼するようにしましょう。