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お金を増やすならイデコかNISAか

イデコの税制節税メリットがイメージできる画像

 

イデコとNISAの比較

非課税メリットを生かした資産形成が行えるイデコ(個人型確定拠出年金)とNISA(少額投資非課税制度)。

 

老後資金の準備として利用するなら、どちらがいいでしょうか?税制優遇が大きいのはどちらでしょうか?

 

イデコは掛け金が全額所得控除となり、所得税と住民税が軽減されます。その効果は所得が高い人ほど大きくなり、働き盛りの世代なら掛け金の20%〜30%が還元されるイメージです。

 

たとえば、7,000円の積み立てをすると、節税分の3,000円が加算されて1万円が増えたことになります。

 

利回り換算すると3,000円÷7,000円で約40%です。このメリットはNISAにはありません。

 

運用益については、イデコもNISAも非課税ですから、この点では差はありません。

 

一方で、イデコは将来、資金を受け取るときに課税される、というデメリットがあります。

 

確かにその通りですが、一時金受取なら退職所得控除が利用可能ですから、現役時代の税率と比較すれば、イデコのほうが得になります。

 

イデコで利用できる金融商品は金融機関によって異なりますが、定期預金や保険を選ぶこともできますので、元本割れのない商品でも税制優遇を受けられます。

 

また、NISAは途中で売却すると、その分の非課税枠が失われますが、イデコはいったん売却して買い替えても60歳まで非課税は続きます。

 

イデコには、原則60歳まで解約できない、というデメリットがありますが、家計が苦しくなっても引き出せないため、確実に老後資金を確保することができます。

 

ただ、イデコで積み立てが可能な投資信託は金融機関によって信託報酬に幅があるため、利用する金融機関を慎重に選ぶ必要があります。

 

たとえば、国内外に分散投資するタイプでは、年0.8%から2.16%まであり、12倍の差が生じています。

 

楽天証券やマネックス証券などのネット証券や、イオン銀行などのネットバンクで新たにイデコの取り扱いを始めた金融機関は、比較的信託報酬が低い投資信託を揃えています。

 

それに対抗して、SBI証券や労働金庫のように商品ラインナップを見直した金融機関もあります。

 

あるいは、野村證券のように一定条件で運営管理機関手数料を無料にするなど口座管理料を見直すところも増えています。

 

コストの高い金融機関ですでにイデコを利用している方は、金融機関の変更も可能です。手続きに2〜3か月かかるかもしれませんが、長い目でみればメリットは大きくなります。


確定拠出年金と国民年金基金と小規模企業共済の比較

確定拠出年金と国民年金基金と小規模企業共済の比較

 

確定拠出年金、国民年金基金や小規模企業共済とどう違うの?

 

確定拠出年金と国民年金基金と小規模企業共済の比較を見ていきましょう。

 

掛金の上限は、確定拠出年金と国民年金基金が68,000円で、小規模企業共済が70,000円なので、ほとんど差はありません。

 

確定拠出年金

その中で確定拠出年金のメリットは、国内外の株や債券など、自分がいいと思う商品を自由に選んで資産運用ができること、だと言えます。

 

これは、国民年金基金と小規模企業共済にはない特徴です。国民年金基金と小規模企業共済は利率が決まっているので、自分の努力次第で資産を増やすということはできません。

 

ただし、資産運用ができることには元本割れのリスクも伴います。国民年金基金と小規模企業共済には元本割れのリスクはありませんので、確定拠出年金は見方によってはデメリットにもなります。

 

このデメリットが嫌な人向けに、確定拠出年金には元本確保型の定期預金商品も用意されています。

 

国民年金基金

国民年金基金のメリットは、終身タイプの年金に格安で加入することができる、ということでしょう。

 

確定拠出年金にも終身タイプの年金商品がありますが、現在の低金利下では、あまりコストパフォーマンスがよくありません。現在のところ、国民年金基金が上回っているといえます。

 

一方で、国民年金基金は、インフレに対応できない、というデメリットがあります。国民年金基金は、加入したときの利率が生涯続くことになります。

 

マイナス金利の時代ですから、銀行預金では、利率はほぼゼロです。確定拠出年金で元本確保型の定期預金を選ぶよりは、国民年金基金に加入しておいたほうが、利率はよほどいいです。

 

小規模企業共済

次は、小規模企業共済です。小規模企業共済の第一のメリットは、途中解約ができる、ということです。解約する場合は、通常の受給よりも若干金額が減ります。

 

また、掛金を掛けていた期間が20年未満の場合は元本割れしてしまいます。しかし、確定拠出年金や国民年金基金は途中解約ができないので、途中解約ができる小規模企業共済のメリットといえるでしょう。

 

小規模企業共済には、掛金を担保にして融資を受けられるというメリットもあります。融資にはいくつかの種類がありますが、利率は現在のところ最高でも1.5%です。融資という方法で、掛金を一時的に引き出すことも可能というわけです。

 

小規模企業共済のデメリットは、自分で資産運用ができない、利率が低い、ということです。現時点での予定利率は1%ですが、これは経済情勢や共済の運用次第で変更されます。そのため、国民年金基金のようにインフレにまったく対応できないものではありません。

 

確定拠出年金と国民年金基金は上限枠が同じで、この2つの掛金の合計が月68,000円までとなっています。

 

小規模企業共済と、確定拠出年金・国民年金基金は別枠になっていますので、確定拠出年金または国民年金基金に満額掛けておいて、小規模企業共済に満額掛けるということも可能です。

 

確定拠出年金と国民年金基金と小規模企業共済の比較一覧
確定拠出年金 国民年金基金 小規模企業共済
メリット ・自分で資産運用ができる ・終身年金のコスパが高い ・60歳未満でもお金を引き出すことができる

・掛金を担保に低率で融資が受けられる

デメリット ・60歳まで引き出せない

・選択した商品によっては元本割れのリスクが発生する

・60歳まで引き出せない

・自分で資産運用ができない
・利率が低く、固定されている

・自分で資産運用ができない

・利率が低い(ただし物価変動は考慮される)

向いている人 自分で資産運用をしたい人 年金受給年齢に近く、終身年金がほしい人 確定拠出年金、国民年金基金以外で、資産を蓄積したい人

NISAとつみたてNISAとイデコ(iDeCo)

NISAとつみたてNISAとiDeCoがイメージできる画像

 

NISAとつみたてNISAとイデコ(iDeCo)の比較

通常、株や投資信託などで得られた利益からは約20%の税金が差し引かれますが、NISAやiDeCoを活用すれば、税金がかかりません。

 

その分、手取り額が増えるので、資産づくりをするのであれば、この非課税制度を利用しない手はありません。

 

NISAは、投資額の上限が年間120万円で非課税期間が5年一般NISAと、年間の上限が40万円で非課税期間が20年つみたてNISAがあります。

 

一方、イデコiDeCo利益が非課税になるほか、拠出した掛け金全額が所得控除の対象となるため、所得税や住民税が安くなる、というメリットがあります。

 

ただ、「自分年金づくり」のための制度ですので、原則として60歳以降でないと引き出すことができません。

 

株や不動産投資信託に投資したければ、NISA。

 

投資信託で長期・積立をするのであれば、つみたてNISA。

 

60歳まで使わずに老後に備えたいお金は、iDeCo。

 

というように、資金の使い道や購入したい金融商品に合わせて使い分けるといいでしょう。

 

NISAとつみたてNISAとイデコ(iDeCo)の特徴
NISA つみたてNISA イデコ(iDeCo)
対象年齢 20歳〜 20歳〜 20歳〜
年間限度額 120万円 40万円

14.4万〜81.6万円
(職業により異なる)

投資可能期間 2023年12月末まで 2037年12月末まで
利用できる金融商品

株式・投資信託
ETF,REIT

一定の条件を満たした
投資信託とETF

運営管理機関が提供
金融商品(投信など)

【税制上のメリット】
積立時 全額所得控除
運用時 非課税5年間 非課税20年間 非課税最長70歳まで
受取時 公的年金控除・退職所得控除
留意点 つみたてNISAと併用不可 NISAと併用不可 原則60歳まで引き出し不可

※節税対策は税理士選びが成否を分ける!


個人の所得税でも、会社の法人税でも、「節税対策は税理士選びが成否を分ける!」と言っても過言ではないでしょう。

決算書・申告書を作成する税理士次第で税金は大きく変わってしまいます。

会社の税務申告には、ほとんどの場合、税理士事務所に依頼していることが多いと思います。
個人の所得税確定申告は、ご自身である程度できますから、税理士に報酬を払って依頼するケースは、事業の規模によるかもしれません。

個人の所得税の節税も税理士事務所によって大きく変わります。

税理士事務所が税務署寄りの考え方なのか、そうでないのか、同業種・同規模の事業者でも依頼する税理士事務所によって、所得金額は大きく変動します。

来期は銀行から借り入れの予定がある、住宅を購入するために住宅ローンを組む、などの理由から、所得を多めに確定申告をする必要があるかもしれません。

逆に融資を受ける予定がない場合は、できるだけ節税するように心掛けるべきです。

社会保険料や消費税率の引き上げにより、社保・税金の負担は増えるばかりです。

また、税務調査対策も、税理士の対応次第で結果は大きく変わります。

所得税の確定申告や税務調査の対策は、柔軟な対応をしてくれる税理士事務所に依頼するようにしましょう。